水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

令和5年度

4月

四月に入り、いよいよ令和五年度のスタートとなりました。年度末には空手道部が全国選抜大会で優勝を飾り、新年度に弾みをつけてくれました。心から部員たちの健闘を称えたいと思います。学校内は一年生を迎えて、さらに活気づくことでしょう。新入生の保護者の方々との新たなご縁を大切にして、生徒の育成に力を尽くす決意を強くするものであります。

 

江戸時代は私塾の時代といわれています。徳川幕府には昌平坂学問所があり、各藩には藩校がありましたが、それは武士の教養を学ばせる学校でした。幕府とはかかわりを持たない塾の方が、むしろ人望を集めていたように思います。学問を重んじた徳川家康の方針に基づき、文武を学ぶことが目的であれば、全国を旅することができた制度によるものが大きかったようです。吉田松陰の足跡は、下田踏海事件で捕まる前までの四年足らずの間に、水戸をはじめ、南は九州の長崎から北は遠く津軽半島の竜飛岬まで及んでいます。そのような風土の中から「あの先生をたずねて教えを乞おう」と遠隔の地から私塾の門を叩く人々が多く、それが私塾の時代と呼ばれる所以だと思います。

 

交通手段が現代と比較にならないくらい劣っていた時代で、なぜ江戸時代に私塾が隆盛を極めたのかは興味深いところです。それは学問のレベルの高さもさることながら、「この先生の言うことなら信頼できる」などという、心で感じ取る部分が大きかったことから、師としての生き方に共感して、弟子入りする例が多かったのではないでしょうか。

 

現代の学校も、基本的には同じであるはずです。形に現れている特色と同時に、その学校の根底を流れている基本的な考え方、地道な実践の積み重ねが独特の雰囲気となり、共感に発展していくはずです。本校にとっての「水戸女子らしさ」を大事に、生徒達を育んでいきたいと思います。

意義ある教育活動をさらに高め、建学精神の具現化に教職員一同、常にプラス志向を心がけ邁進する所存であります。今年度も当たり前の事を、真面目に、心を込めて取り組んでまいります。保護者の方々の御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。