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水戸女子高等学校
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学校長より

飾りウェーブ

令和3年度

3月

今年も三月となり、蛍雪の功成った三年生を送り出す時となりました。新卒業生の保護者の方々には、心からの祝意とともに、三年間にわたる本校教育への御協力を厚く感謝申し上げます。

学校通信でも数回取り上げましたが、少子化が加速しています。茨城県の調査によると、平成元年の中学校卒業者数は四九,四四一名でしたが、令和十二年には二二,七六八名にまで減少することが推計されています。県立高校においては県立高校改革プランが進められています。多様な学科や外国人生徒へ対応した高校など様々な学びを提供することになっていますが、実質倍率が一倍を切り続ける中で、新たな再編は避けられないはずであります。

社会が多様化し、学びの需要に合った教育の在り方をめざすことは重要なことでありますが、私立学校はさらに付加価値をつけていくことを目指さなければならないと思います。最も大切なことは原点をしっかり見つめ、揺るぎない建学精神を磨き続けることであると強く感じています。

鈴木米藏先生が本校を創立した昭和六年頃の女子教育は、わが国の伝統的な家族制度を根底とする良妻賢母主義に立つもので、婦徳の涵養や実際の生活に即した教育が求められていました。そのような状況の中、女性の自立と社会的地位の向上をめざし、豊かな教養と経済的知識を身に付けた、社会に貢献する女性を育成しようとした米藏先生の思いは特筆すべきものです。

女子の商業学校が誕生したのは明治三十六年、私立女子商業学校(現かえつ有明高等学校)でありました。本校創立当時、全国でも女子の商業学校は二十数校で、特徴的なことは神戸市立女子商業学校を除いて、すべて私立学校であったということです。新たな時代を切り拓いていったのは、常に私立学校でありました。激変する未来を恐れることなく、米藏先生の熱い思いを継承し、さらに磨き上げた歴史を加えていく覚悟と実践を心に誓う次第です。

新卒業生の巣立ち行く時を迎えて、感慨も無量でありますが、ひたすらその人生に幸多かれと心より祈ってやまないのであります。