四月に入り、いよいよ令和四年度のスタートとなりました。今月から一年生を迎えて、学校内もさらに活気づくことでしょう。今年も新入生の保護者の方々との新たなご縁が生まれたことを心から喜ぶとともに、共に生徒の育成に力を尽くしたく、このご縁を大切にしていきたいと決意を強くするものであります。

本校は昭和六（一九三一）年に「社会に貢献する女性を育成する」という建学精神によって創立された学校です。私立学校の命である建学精神にさらに磨きをかけ、私学人としての誇りを胸に、心を込めて取り組んでいくことに思いを新たにしている次第です。

社会に貢献するためには、何事も前向きに取り組み意欲的な姿勢を堅持することが必須の条件になります。私が担当している三年生の「建学精神」では、数回にわたって脳科学について述べてきました。私達の脳は神経細胞のネットワークによって活性化し、意欲的な姿勢が生み出されることがわかっています。

では脳の活動を支える神経細胞のネットワークを活発に拡大させるにはどうすればいいのでしょうか。脳は達成感や成就感で活気づくことが解明されています。ほとんどの動物は食欲など本能に基づくものが快感と直結していますが、人間の場合はもっと感情的、あるいは社会的な場面で「快」を感じるのです。人間の場合、自分の力で目標を達成し自分の望んだことの実現を通して意欲を持つことが、神経細胞のネットワークの活性化に大切なことなのです。

やる気や意欲は、サイロキシンというホルモンによってコントロールされていることが明らかになっています。そして「切磋琢磨」している状態において、最もサイロキシンが活発に分泌されるようです。本校の特色ある教育活動の中で、必ず生徒達の前向きな姿勢や意欲が喚起できるものと信じております。

今年度も意義ある教育活動をさらに高め、建学精神の具現化に教職員一同、常にプラス志向を心掛け邁進する所存であります。保護者の方々の御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。