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水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

令和3年度

6月

昨年六月の学校通信は臨時休校明けにお届けしました。その冒頭で感染拡大防止に努めると共に、感染症の影響は社会全体を委縮させる危険性があり、今後も注視していかなければなりません、と述べました。今も同じ状況が続いていることに心を痛めています。

多くの制限がある中、先月は吹奏楽部が無事定期演奏会を開催いたしました。また関東大会に向けた県予選会が開催され、フェンシング部・ソフトテニス部・空手道部・バレーボール部が出場権を得ることができました。特筆すべきはいずれの部も優勝しての出場となったことであります。八割の運動部が県大会で優勝することは極めて稀であり、私にとっても誇りとするところであります。

部活動が生徒たちに与える影響は大きいものがありますが、それは一時の達成感や成就感にとどまるものではないはずです。生涯にわたって心の中に生き続けるべきものだと思います。

私は大学で未経験でしたが、ボクシング部に入部しました。毎日十キロのロードワークを続け、練習に打ち込み、勝利を収めることもできました。しかし負けた試合が自分と冷静に向き合う機会となったのです。輝く照明が映し出すリングの後楽園ホールは、独特の緊張感が漂っています。ロープをくぐると対戦相手とレフェリーの三人のみの、極限状態の中でゴングが鳴ります。極限状態であるからこそ、「本当の自分」と対峙することができたのです。「心の弱さ」が勝手な思い込みを招き敗北した試合や、危うく負けるところまで追い込まれる経験をしました。敗因を技術的に分析する前に、「心の弱さ」と逃げずに向き合うことが求められ、克服しようと苦しみました。その貴重な経験が今も活きているのです。

現代は成果を求められる時代です。もちろん成果は大事ですが、数十年にも渡って心の中に生き続ける教育こそが、真の教育といえるでしょう。部活動に限らず、すべての教育活動を通して、生徒たちの心の中に生き続ける教育が本校のめざすものなのであります。