6月

新型コロナウイルス感染症の拡大による臨時休校では、保護者の方々に多大な負担をおかけしていることを心苦しく感じています。今後学校行事の精選、長期休暇の活用等で学力の向上に努めてまいります。また、五月の学校通信もお届けすることができず、心より申し訳なく思っています。今回の感染症の影響は社会全体を委縮させる危険性があり、今後も注視していかなければなりません。

四月の本稿でお伝えした通り、昨年度の本校の実績は目を見張るものがありました。今年度はさらに高める年度として位置づけておりましたが、残念ながらインターハイは中止となりました。群馬県を中心に開催予定だった北関東総体の愛称は、今春卒業した白戸杏奈さんの「魅せろ躍動北関東総体二〇二〇」の作品です。また大会スローガンは、同じく今春卒業した井坂仁美さんの「夢を追う熱き思い今虹となれ」の作品です。いずれも千名を超える応募作品から選ばれたものであり、これに応えてすべての運動部が出場をめざしていただけに残念でなりません。また吹奏楽コンクールもすべて中止となり、県代表の常連であった本校吹奏楽部にとっても痛恨の極みとなりました。

一方で今回の事態は、教育活動における目的と目標を再考する機会になったはずです。大会等で優秀な成績を収めることは大切な目標です。同時に「何のために」という目的を両立させねば、教育活動の一環とは言えません。特に私学にとっては、すべてが建学精神に繋がっていなければならないのであります。

本校の教育活動は建学精神に基づき、目には見えない力を十分養ってきました。目に見える結果ばかりが重視される社会の風潮の中、教育の軸を私たちは強く意識すべきであると考えます。一部に大会中止により虚脱状態に陥る部員を危惧する報道がなされていますが、それは目的や意義を指導者が教えることなく、結果ばかりを追い続けたことに要因があるはずです。大会に出場することなく卒業する生徒たちには、これまで努力を続けてきた自分を振り返り、自信と誇りを持って欲しいと思います。その資格が本校生にはあるはずなのです。