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水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

令和2年度

7月

今年度に入り、生徒たちの前で話すことは、三年生の授業以外では殆どなくなりましたが、これまで集会等の度に私は「当たり前のことを、真面目に、心を込めて」と話し続けています。

校長に就任した平成十年からの二十二年間、社会は大きく変わり、教育を取り巻く環境も変わり、また現在も急速に教育改革が進められています。この二十年余りで「教育に近道はない」ということを実感しています。最も大切なことは「当たり前のこと」を大事にして、素直な気持ちで「真面目に」取り組み、そして「心を込める」ことにより、初めて教育の成果が期待できるのです。師弟同行から生まれる本校ならではの雰囲気が、私学として最も尊い特色となるはずです。三年間の本校で培った生きる姿勢は、その後の生徒たちの人生を美しく彩ることと信じています。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、「当たり前のこと」を真剣に見つめる機会となりました。

私は午前五時半頃には校長室に入り、一日の準備をする習慣が定着しています。臨時休校中も同じように出勤していました。警備を解除した後、通常は生徒側の扉も解錠するのですが、その当たり前のことが三ヶ月以上もできませんでした。六時半を過ぎると運動部の部員が部室の鍵を借りるため校長室にやってきます。当然ながらその姿もありません。七時になると外へ出る「当たり前」のこともできませんでした。日直の教職員が出勤するまで、館内は静寂が続き、忍び寄る不安は、血圧上昇や何となく感じる息苦しさに現れてきます。校舎・体育館が使用不可になった東日本大震災時よりも、精神的には厳しかったように思います。

六月八日より通常授業となりました。初めの一週間を長く感じたのは私だけではなかったはずです。それだけ「当たり前のこと」が断たれることは、極めて深刻な事態であると実感しました。

「当たり前のこと」の大切さを私たちは再認識しました。新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波が懸念されています。感染防止に努め、日常の学校生活に感謝し、「真面目に、心を込めて」教育活動に邁進したいと、改めて保護者の方々にお誓いする次第であります。