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水戸女子高等学校
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学校長より

飾りウェーブ

令和元年度

5月

元号が令和と改められました。今上天皇は私と同世代であり、浩宮様の頃から親近感を持っていました。平成十四年の茨城インターハイ、そして平成二十六年一月十五日の歌会始で、その凛々しいお姿を拝見しました。ご活躍とご健康を心よりお祈り申し上げます。

さて昨年の五月の学校通信では、相次ぐ官僚や政治家の不祥事をとりあげました。その後も後を絶たない状況が続いています。いずれのケースも優秀な経歴を修めた人によるものであります。セクハラ行為により辞任した財務省事務次官は、東京大学法学部卒で、在学中に司法試験に合格しています。まさにエリート中のエリートによる不祥事でありました。そこには教育のあり方が深くかかわっているはずです。

元文部科学省事務次官が理事長を務める広域通信制高校は、首都圏を中心に人気を集めているようです。生徒数が一万人を超える背景には、通信制でありながら通学型のコースを設け、予備校等の授業を受けることのできるシステムがあります。入試に関係ない授業を受けずに、一年生の時から受験勉強のみに集中できるのです。そして今年度より通信制の併設中学校を開校しました。在籍する中学校には登校せず、受験に関係する科目のみを六年間勉強します。東京では昨年度三千人を超える中学生が、全日制高校に進学せず通信制高校に進学しています。保護者の方々も強い疑問をお持ちのことと思います。教育は目先の損得に左右されてはならないのです。このような学校から本当のエリートが生まれるはずがありません。

優秀な人材を育成する時に最も重要なキーワードは「ノブレス・オブリージュ」であると思います。「身分の高い人たちは、それに応じた社会的責任や義務を果たさなければならない」という倫理観、道徳観です。能力が高いだけではなく、ある種の自己犠牲の精神を併せ持つ必要があります。わが国の未来を考えた時、自分の損得ばかりを考える教育とは決別しなければなりません。

私立学校の建学精神には「ノブレス・オブリージュ」が織り込まれているはずです。本校は正しい教育を地道に実践していきたいと改めて強く感じる次第です。