11月

秋桜祭では大変多くの保護者の方々にご来校いただき、心から感謝いたします。ありがとうございました。お蔭様で、本校らしい温かな雰囲気の文化祭となりました。

さて、先月末に長野市において第六十三回全国私学教育研究集会が開催されました。部会の一つである法人管理運営部会では、「学校内における災害への備えの視点」のテーマでパネルディスカッションがあり、パネリストの一人として、私が震災時の対応について発表をいたしました。

発表のために、改めて東日本大震災発生時を復習していると、数々の思いが甦ってきました。

当日は卒業式後で一・二年生が在籍していましたが、二年生は修学旅行中で、一年生のみが登校していました。私が延暦寺で第一報を聞いたのは、三時頃でありました。全員避難完了との留守番電話の声から、計り知れない震災の大きさを感じました。

あれから四年八か月が経ち、冷静に振り返ってみると、実に多くの人々のご縁とご恩によって、驚異的なスピードでの復興を遂げることができたことを実感します。

震災直後から駆け付け、三日後には仮設校舎建設の提案をしていただいた東建設の佐藤さん、短期間の設計にもかかわらず、微に入り細に入り心配りをして、茨城建築文化賞最優秀賞をいただく校舎を設計した横須賀満夫設計事務所の下山田さん、八か月という常識はずれの建設期間にもかかわらず、弱音を吐くことなく仕上げてくれた現場監督の株木建設の八巻さん、そして東建設の檜山さんをはじめ、仮設校舎での不自由な生活を耐え忍んだ生徒たちとその保護者の方々、本校教職員、休日も続く工事を温かく見守って下さった地域の皆様など、書き尽くすことができないほど多くの皆様のご縁とご恩によって、現在の本校があることを忘れてはならないと強く感じています。

そのご縁に感謝し、ご恩に報いるためにも、建学精神に基づいた有意義な教育活動を展開する決意を新たにした次第です。