平成27年度
10月
この度の関東・東北豪雨により被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。幸いにも本校では被害の報告がありませんでしたが、東日本大震災を想起させる災害で、一日も早い復旧・復興を祈るばかりです。
毎年本校は十月を訓育重点月間として、徳育の深化を意識した取り組みを展開しています。これは単なる生徒指導の強化ではありません。本校がめざしているのは生徒指導の徹底の先にあるものです。集会の度に私が生徒たちに話している、建学精神を具現化するための四つの力(自己コントロール力・コミュニケーション力・行動力・気配り力)をさらに高める月間にしたいと考えています。
第二学期始業式で二学期の強化すべき事項として、挨拶・感謝の言葉・率先してゴミを拾うことを生徒たちにお話ししました。挨拶や感謝の状況が、著しくよくないわけではありません。むしろ例年より明るく、心を込めて取り組んでいると考えています。だからこそ、さらに本校らしい雰囲気を高めていきたいと思っています。
校内は生徒たちのおかげで、常に清潔な環境にあります。しかし、目を凝らしてみると埃や小さなゴミが落ちていることもあります。小さなゴミに気づく力、そして「拾う」という行動力は、やがて建学精神の具現化につながっていると信じています。小さなこと、細かなことにこだわりを持って、大きな成果に育てていきたいと願っています。
吉田松陰が教育に関し表現した言葉に「涵育薫陶(かんいくくんとう)」があります。教育は当たり前のことの積み重ねにより自然に感化するものであり、強制的に指導し、わずかな期間で促成栽培のように教育することは間違っているという意味が込められています。目先の成果のみにとらわれることなく、生徒たちの人生に思いを馳せ、幸せを願い、日々の当たり前のことを大切にしたいと思います。
ご案内の通り、今月九日・十日は秋桜祭が開催されます。日頃よりの研究成果に加え、生徒たちの笑顔、そして本校ならではの雰囲気を感じていただければ幸いです。