3月

今年も、蛍雪の功成った3年生を送り出す3月となりました。新卒業生の保護者の方々には、心からの祝意とともに、3年間にわたる本校教育への御協力を厚く感謝申し上げます。
平成17年度より、本校は毎年生徒数を増やし続けています。6年連続生徒数増は、全国的にみても特筆すべきことであります。もはや戦術や戦略だけで生徒を確保することはむずかしいと強く感じています。それは徹底した差別化から生まれる特色が、人々の共感を生む時代になったことを告げています。その特色の象徴が生徒達であります。
昨年「茨城しぐさ運動推進事業」を進めているNPO法人ひと・まちネットワークより、「しぐさ」についての研究依頼があり、私の授業で「水戸女子Style」と称した行動・意識調査を実施しました。
校内で生徒達が一番意識していたのは外来者への挨拶でした。「立ち止まるのは当たり前で、来校された方に安らいでもらえるように微笑みを忘れない」「立ち止まって挨拶をするというよりも、自然にそれができることを意識している」など、生徒達は形を整えるだけではなく、自分なりの付加価値をつけて行動していることがわかります。
校外では電車、バスの乗車マナーや服装面での高い意識を確認することができました。「恥を忘れた服装をしない」「水戸女子高生の誇りを持ち、清々しい姿、しっかりした姿勢で歩く」などの回答には、励ましを受けた感じがします。他に携帯電話をいじらないと回答した生徒が数人いました。その理由が他の人の迷惑になるというだけではなく、美しいしぐさとはいえないと感じている生徒がいるのは心強い限りです。
数々の回答から生徒達が行動の原動力になる「水戸女子らしさ」を正しく認識していることは、私の予想を超えていました。生徒達の思いをしっかり感じながら、さらに本校教育を高めていきたいと思う次第です。
新卒業生の巣立ち行く時を迎えて、感慨も無量でありますが、ひたすらその人生に幸多かれと心より祈ってやまないのであります。