2月

2月11日は建国記念の日です。わが国の在りようを心静かに考える機会にしたいものです。
幕末の日本にはわが国の方向性を真剣に考え、行動した人々がたくさんいたことはご存知の通りであります。吉田松陰もその一人でありました。吉田松陰が知人に宛てた手紙を調べていくと、時が経つにつれて度々使われる言葉に「草莽崛起(そうもうくっき)」があります。
「草莽」とは草原あるいは在野という意味があり、「崛起」には山のように際立つ、あるいはにわかに起こる、という意味があります。吉田松陰は次第に幕府や藩に対して不信感を持ち始め、見限りの念を強めていくのでした。その頃盛んに使っていた言葉が草莽崛起であります。「僕自身が草莽となって崛起する」と告げている手紙もあります。どのような意味で用いたのか正確なところはわかりませんが、「官にはもはや期待できない。在野人から日本を変えていこう」とのメッセージなのではないかと推測できます。門人の高杉晋作は「草莽崛起」を自分なりに解釈して、藩に属する正規の兵ではなく、自由な立場にいる人々によって形成する奇兵隊を組織したのでありました。
今の教育界も当時と同じようなことが言えるのではないだろうかと思うのです。様々な課題を前向きに解決できるのは公立学校主体の教育ではなく、実は私学の力なのではないかと考えます。それぞれの主体性を持った存在が求められている時代の中で、野に在って、私学としての志と、大いなる使命感を持つことを再確認できた次第です。
今月23日に吹奏楽部の第三回定期演奏会が開催されます。吹奏楽部員のひたむきな姿勢の集大成になるものと期待しています。今年は水戸一中・新荘小の生徒の皆さんが賛助出演してくれることになっており、前回にも増して充実した演奏会になるはずです。活気あふれる雰囲気を感じていただけるものと確信しております。保護者の方々のご来校を心からお待ち申し上げます。