令和6年度
5月
第二十七回茨城建築文化賞の最優秀賞を受賞した本校校舎の中でも、特色のある施設が図書館です。オープンスペースで開放的な図書館は、休み時間や放課後には常に生徒達の姿があります。
設計の段階ではやや不安もありましたが、図書館司書丸地先生のご尽力により、他校にはない素晴らしい場所であり続けています。来校された方々からも絶賛されています。私にとっては生徒達の知識欲を引き出す場であってと欲しいと願っています。「知りたい」という気持ちは必ず学力向上につながるからです。
旧校舎時代から毎週一冊生徒達に本を紹介していたこともあり、私自身本を読むことは生活の一部になっています。昨年は百四十九冊の本と接することができました。日曜日には必ず書店に立ち寄り、生徒に紹介する本と自分が読みたい本を購入します。以前は仕事に関する本が多かったように記憶していますが、最近は読みたいと思った本を買うようにしています。結果的にその方が役に立つことが多いからです。映画の原作を読み、実際に映画を観た時の違いを感じるのも楽しいものです。
高校生の時読んだ「青春の門(五木寛之著)」では、早稲田大学への思いと、ボクシングという競技への関心が引き出され、様々な出来事を経て、結果的には早稲田大学ボクシング部の入部に至りました。一冊の本との出会いが人生を変える可能性があるのではないかと思います。
読書は知識を増やすだけではなく、長い年月をかけて個性を育み、習慣や性格を形成し、運命にまで影響を与えるものだと考えます。
四月二十二日に生徒に紹介した「本を守ろうとする猫の話(夏川草介著)」の中に、印象的な猫の言葉があります。「大切にされた本には心が宿り、そして心を持った本は、その持ち主に危機が訪れたとき必ず駆け付けて力になる。」本には力があると私も思います。
学校参観の時には図書館にもお立ち寄りください。新たな発見があるかも知れません。