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水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

令和5年度

10月

毎年本校は十月を訓育重点月間として、徳育の深化を意識した取り組みを展開しています。これは単なる生徒指導の強化ではありません。外部の方に制服の着こなしや挨拶等でお褒めの言葉をいただくことがよくありますが、本校がめざしているのは生徒指導の徹底の先にあるものです。集会の度に私が生徒たちに話している、建学精神を具現化するための四つの力(自己コントロール力・コミュニケーション力・行動力・気配り力)をさらに高める月間にしたいと考えています。

 

私が生徒指導の担当だった二十五年前と比較すると、社会全体から二つの「低下」を感じています。第一に「耐える力の低下」です。偏った個性重視の教育は、権利ばかりを主張する風潮を生み、結果的に耐える力を低下させたと思います。昨今のあおり運転に代表される、身に余るわがままな大人の振る舞いも、突き詰めれば耐える力の低下に起因しているはずです。校則の厳守は生徒たちの個性を奪うものではなく、自己コントロール力を植え付けていくものなのです。

 

第二に、「気づく力の低下」です。快適で豊かな社会は、私たちの注意力や観察力を低下させる危険性のある時代
だとも言えます。潤いのある美しい社会にするためには、周囲への気配りが求められています。

 

道徳は外面的・物理的強制を伴う法律とは違い、自発的に善を行う内面的原理に基づくものであります。気づく力を育成することが、徳育の深化には不可欠なのです。生徒たちには個と全体、相手の立場を意識した言動を再認識させる月間にしたいと思います。

 

また十月はオープンスクールで来校する中学生や保護者の方が多くなります。これまでも昨年度を大きく上回る来校者となっています。校内の雰囲気、生徒が活動する様子を見て、多くの共感の輪が広がっていることを感じます。社会の多様化により低下した力もありますが、本校独特の温かな雰囲気は維持されています。中学生にとって来年からの三年間は、将来を左右するものです。入学者確保を第一義にせず、生徒達の将来に思いを馳せ、私立学校の使命を強く意識する機会が、私にとってのオープンスクールなのであります。