"JavaScriptをONにしてご覧ください"
水戸女子高等学校
入試情報・募集要項 お問合せ
校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

令和2年度

2月

昨年度二月の学校通信は、規律と温かさが両立した学校をめざしたいとの決意を述べたものでした。そのきっかけになったのが六年前に出席した歌会始であったという内容でした。あれから一年経ち、歌会始は中止となり、今月の天皇誕生日の一般参賀も中止となりました。

新型コロナウイルス感染症がここまで拡大し、生活にも深刻な影響を及ぼすことを一年前に予測できた人はほとんどいなかったと思います。

お知らせしました通り、県独自の緊急事態宣言の発令を受け、二月七日までは、時差登校・短縮授業・部活動時間の制限等、保護者の皆さまにもご協力をいただいていることを心から感謝申し上げます。おかげさまで感染者がいない状態が続いていますが、予断を許さない状況であることは間違いありません。さらに感染予防に努めたいと考えています。

この十年の間に非常事態と言える状況になったのは二度目です。一度目は東日本大震災でありました。校舎と体育館が使用不能になったのは、まさに非常事態でありました。震災後三日目に運動場に二十教室分の二階建て仮設校舎の建設を決め、順調に工事が進んでいる時に、私はかつて仮設校舎で数年間過ごした校長先生を訪ね、最も留意すべきことを聞きました。即答された答えは「心が荒む」ということでありました。響く音、筒抜けの声、体が感じるすきま風などの環境の激変により少しずつ心が荒んでいく状況に苦しんだそうです。一年十ヶ月に及ぶ仮設校舎での生活は、先生方の献身的な指導とそれに応えようとする生徒たちによって、心が荒む状況は回避することができました。隣では新校舎の建設が進んでいくことを自分の目で確認できたことも大きな要因だと思います。

未だ出口が見えない今回の非常事態は、学び舎を失った時よりも深刻であるように感じます。「いつまでマスクを・・」という生徒たちの声もよく聞くようになりました。社会全体が心苦しくなっているように思います。生徒、教職員共に心が荒むことなく、師弟同行の下、健やかな年度末を迎えることを願っています。