6月

「脳を鍛える」という言葉に象徴されるように、脳に関するいろいろな書籍やゲームソフトが売れているようです。私も平成十一年に全国私学教育研究集会でお聴きした金子満雄先生の講演以来、脳科学に大変興味を持ちました。日々の教育活動に反映していくことによって豊かな心を育み、意欲をさらに引き出すことができると考えたからです。いろいろな本や講演を通して最近感じることは「自然」ということです。当然のことですが、私たちの体は自然の摂理に従って行動するようになっています。脳のあり方も例外ではありません。いろいろな情報が飛び交う中で、特別なことが必要なのではないかと思いがちです。脳科学の発達は、自然の摂理に従うことの意義を証明してくれたのではないかと感じています。

先月出版された「頭のいい人は脳のリセットがうまい(保坂隆編著・中公新書)」でも興味深いことが書いてあります。朝起きたら明るい声で挨拶をすると、脳内にドーパミンやβエンドルフィンなど、自分を元気にする物質がたくさん分泌されるのです。また朝一番に太陽の光を浴びると、気分が一新され、前向きで活発な行動を促すセロトニンが分泌されやすくなります。セロトニンはうつ病と深い関係があり、日照時間の短い北欧にうつ病が多いのも納得できます。

マウスによる実験では、運動することにより新生ニューロンの誕生が二倍になることも確認されています。しかもいったん失われた記憶力の再生の可能性も証明されました。挨拶や早起き、運動など基本的な事柄を大事にしていきたいものだと感じた次第です。

さて、今年度の関東大会には、十五年ぶりに出場するソフトテニス部をはじめ、昨年に引き続き四つの運動部が出場することになりました。運動部の数を考えれば県内随一の出場率となります。関東大会においては本校生徒としての誇りを表現する機会、プラス志向を実践する機会であることを忘れることなく、周囲への感謝の心を持って臨んで欲しいと思います。保護者の皆様もご声援の程、よろしくお願いいたします。