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水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

平成28年度

6月

六月の学校通信は、四年続けて南三陸町を訪問した時の様子について述べてきました。今年も同じ時期に私は南三陸町へ車を走らせました。

平成二十四年は、絶望的な状況の中でも必死に復興へ向けて頑張っている地元の方々の姿から「すべてを飲み込んで全力を尽くす」ことの誠を強く感じ、翌年は復興が着実に進んでいる様子から勇気と美しい海を感じ取るための「真っ白な気持ち」でいることの大切さを学び取りました。そして一昨年は「忘れない」という大事なことを、昨年は福島県の帰還困難区域の厳しい現実から「続いている、そして続ける」ことを学校通信でお知らせした次第です。

五年目の今年は「責任」がキーワードとなりました。 南三陸町は南三陸町復興計画に基づき、復興が加速しています。大震災十年後の平成三十三年をゴールに、復興期から発展期に当たる今は、海岸近くの風景が一変し、まもなく新しい街として生まれ変わる手応えを感じました。

石巻市立大川小学校は児童一〇八名のうち七四名が、津波により尊い命を奪われました。さらに先生方も生存者は一名という、東日本大震災の悲惨さを象徴する被害でありました。南三陸町に向かう途中で私は大川小学校跡へ行くことにしました。その近辺は復興というより未だ復旧に近い状況で、トラックが土煙をあげて往来しています。津波で破壊された校舎は痛ましい限りで、涙があふれそうになります。慰霊碑に祈りを捧げ、校舎を仰ぎ見た時、私の心は「責任」という言葉で包まれました。大川小学校の先生方を責めているのではありません。しかし、私たちが生徒たちの命を預かっていることは事実です。その責任を強く感じる光景でありました。そしてそれは危機管理のみならず、生徒たちの未来、幸せに対する責任をも感じさせるものでもあるのです。私たちの思い、言葉、振る舞いのひとつひとつに責任を感じながら、意義ある教育活動を続けていかなければならないと強く感じた次第です。六月も責任をしっかり果たしていきたいと思います。