7月

今年度も三年生は毎週月曜日に私の授業を受けています。平成十年の校長就任と同時に、「社会教養」という科目を設けて、十七年目に入りました。今は校務の都合で二クラスずつの授業となりましたが、その基本は変えていないつもりです。

先月末の授業テーマは「私たちの使命と未来」でした。今の高校生は多くの課題が指摘されていますが、それは生徒たちが生まれ、育ってきた時代が以前と比べ変質したことが主因と考えています。初めに現代と以前の社会を振り返らせるために、生徒たちを六~七名のグループに分け、「子供の頃と今との違い」についてディスカッションをさせて、代表に発表をさせました。この授業の意図は、発表の後に私の世代と比較して、さらに大きな変質を理解させることでした。

ところが生徒たちは今の社会の危機を予想以上に理解していることがわかりました。「地球温暖化が進んだ」「SNSが進化した」「消費税が上がった」等の一般的な回答を予想していたのですが、どの授業でも共通して生徒たちが挙げたのは、「コミュニケーション力が低下した」「過保護になった」等、私が最後に指摘しようとした事柄でした。また「モンスターペアレンツが増えた」と親の世代の問題点まで指摘するのです。和気藹々としたグループディスカッションですが、自分たちの課題をしっかり把握しています。結局親の世代まで遡ることなく、授業の目的は果たせたように感じています。当初は生徒たちが挙げた表面的な事象について、「それはなぜ?」という問いかけから、問題点を気づかせようとの試みだったのですが、生徒たちは問題の核心をしっかり捉えています。これからの成長が心から楽しみになった授業でありました。

今月は第一回学校参観を開催します。申し訳ありませんが、公務のため私は不在となりますので、講話は第二回目にさせていただきます。クラスマッチでのご息女の活き活きとした取り組みを体感いただきたいと願っています。

最後になりましたが、一学期における保護者の方々のご理解とご協力を深く感謝申し上げます。