平成30年度
7月
例年この時期の学校通信は、毎年六月上旬に全国私学経営研修会(日本私学教育研究所主催)の内容をお知らせしています。今年は石川県金沢市での研修会でした。
今年度のテーマは「新たな教育の潮流と私学の針路」でありました。パネルディスカッションのコーディネーターを担当した私は、研修会に先立ち二月下旬に地元のパネリストの方々との打ち合わせに金沢市を訪れました。訪問先は金沢工業大学と金沢学院高等学校です。金沢駅からタクシーでの移動で、合計四回タクシーに乗ったのですが、思わぬ発見がありました。
四人の運転手さんのうち、三人の方は丁寧に金沢の観光地やおいしい地元の食べ物を説明して下さいました。四分の三ですので、単なる偶然とは思えません。中には私が水戸から来たとわかると、偕楽園など水戸の観光地まで話が及びました。三人ともマニュアル通りの説明ではなく、ご自分の思いを熱く語っていることが印象的でした。これは観光地におけるおもてなしのサービスではなく、どのドライバーも金沢を愛し、誇りに思っていることを強く感じたのです。
これは私立学校にとって大変重要なことです。私たちが自分の学校を伝える時に、進学や部活の実績等、目に見える実績を伝えようとしがちですが、最も相手の心に響くのは、「学校を愛し、誇りに思っている」私たちの気持ちです。教職員をはじめ、生徒たちや卒業生の本校を語る言葉から、学校を愛し、誇りを持っていることを感じることこそが、私立学校のあるべき広報だと確信し、金沢を後にしました。
研修会を終えて水戸へ戻る前、給油のため市内のガソリンスタンドに立ち寄りました。給油を終えレシートを受け取る時、高校生らしきアルバイト従業員の方が「これからお帰りですか?お気をつけて。」と、最後まで金沢人の魅力を感じて帰宅することができました。
第一回学校参観の講話のテーマも「新たな教育の潮流と私学の針路」といたしました。共にこれからの時代を見据え、教育を考える場にしたいと願っています。
最後になりましたが、一学期における保護者の方々のご理解とご協力を深く感謝申し上げます。