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平成22年度 5月

少子高齢社会の到来や産業・経済の構造的変化、雇用形態の多様化・流動化などの背景により、社会に出た以降の在り方が問題になっています。自分に合った仕事が見つからない、あるいは仕事が長続きしないなどの課題があり、これらを解決するために、文部科学省は「キャリア教育」の推進に力を入れているところです。本校でも昨年度よりキャリア教育研究委員会を立ち上げ、進学・就職といった卒業後の進路を保証するだけではなく、生徒達の長い人生を充実して生きていく力を養成することが不可欠であると考え、本校の建学精神に基づいた指導を強化しています。
キャリア理論で著名な学者であるスーパーは、「人は仕事を通じて自分が重要と考える価値観を達成しようとする」ものとし、人生を5段階のライフステージに分けています。高校生から25歳を目安としているのは、第2段階の「探索期」にあたり、いろいろな分野の仕事やその必要条件を知った上で、特定の仕事に絞り込んでいき、実際にその仕事に就いて自分に合った仕事かどうか見極めることが課題となります。その課題の解決が次の「確立期(45歳まで)」での「責任と貢献」につながっていくのです。ちなみに確立期の後は「維持期(65歳まで)」となり、さらなる役割や責任を果たすための知識や技術を身につけることが求められます。
こうして考えていくと、キャリア教育は決して生徒達だけの課題ではないことがわかります。年齢的には維持期にあたる私自身を振り返ってみても、まだまだ学習すべきことが数多くあることは明白です。謙虚に学ぶ姿勢を持ち、自分を高め続けようと努力することがキャリア教育の熟成につながる唯一の道であり、そしてそれが充実した人生をもたらすはずです。
キャリア理論の大家であるシャインは、キャリア・アンカーという言葉を大切にしています。アンカーとは、船の錨のことです。キャリアの海で遭難しないように、つなぎ止めておく錨になるのは、こだわるべき価値観であります。私たち自身がこだわりの価値観を磨き、生徒達に示すことも大切なキャリア教育だと感じています。