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平成20年度 2月

限られた資源を大切にしようという意識が年々高まりを見せています。「リサイクル」という言葉は日常語として定着しましたし、「エコ」で始まる造語も最近は数多く目にするようになりました。
現在の取り組みに拍車をかけたのは、2004年にノーベル平和賞を受賞し、ケニアの環境副大臣でもあったワンガリー・マータイさんの「もったいない」という言葉だったように記憶しています。マータイさんは、京都議定書発効記念のシンポジウムで来日したときに、記者のインタビューに対して、「日本には資源を効果的に利用していく文化がある」と語り、その象徴的な言葉が「もったいない」であるとして、ぜひ世界に広めたいと語りました。深刻な環境問題を解決するには、資源の効果的利用は欠かせないものになるはずと思ったからだと考えます。
「江戸と現代 〇と10万キロカロリーの世界 石川英輔(講談社)」を読むと、江戸時代の頃の日本人がいかに資源を有効活用していたかがよくわかります。長い日本の歴史を調べていくと、現代の私たちの生活のあり方は確かに不自然であります。
マータイさんが指摘した日本人の文化は、物に対する意識の高さであると推察します。食べられるものを粗末にしたり、使えるものを捨ててしまったりすることに対して「もったいない」と私たちは感じるのです。
さらに日本古来の大和言葉では、資源の効果的利用ばかりではなく、人が本来の能力を発揮しなかったり、まだまだ生きることができるのに、途中で命をなくしたりすることも「もったいない」と表現してきました。恐れ多いとか、身に過ぎてかたじけないなどを意味することもありますが、働ける者がその能力を発揮しないという意味でしばしば使われてきたのです。物という目に見えるものばかりではなく、目に見えないものを大切にしていた風土が日本にはあります。
一年間の自殺者数が毎年3万人を超える現在のわが国の状況で、もっとも注目していかなければならないのは、「もったいない」が持つ本来の意味なのではないかと感じる次第です。