学校長より

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平成20年度 1月

謹んで新年のお喜びを申し上げます。
年の初めにふさわしい穏やかな正月でありました。静かな元旦の気分を味わいながらも、新しい年への思いを新たにした次第です。
昨年出版された本に「義塾の原点(童門冬二 リプロアルテ)」があります。上下巻にわたって江戸時代に創立された全国各地の塾を紹介しています。その中には、藤田東湖の青藍舎をはじめとして、福沢諭吉の慶應義塾、緒方洪庵の適々塾、そして吉田松陰の松下村塾など25の私塾がとりあげられています。今の教育のあり方、そして本校のあり方を考えた時に興味深いものがあります。
徳川幕府は儒学を日本人の精神基盤に置いたわけですが、後世になるにつれて学者達は字句の解釈に力を注ぎ、実際の生活に役立たないものとなっていったのでした。この官学に対抗し「私学」の立場で物事をとらえる人々があらわれたのであります。この人々に共通していたのは「実学」と「社会貢献」であったように思います。鮮烈な思いと特性を持ち合わせた私塾は、人伝いに広がりを見せ、明治という新たな時代の担い手を輩出していったのです。
本校を創立した鈴木米藏先生が理想とした教育を一言で言えば、商業教育(実業教育)を通して人間性豊かな、社会に役立つ近代女性を育成することでした。米藏先生は実学を理想とし、これを実現するために商業教育を目的とした実業学校の経営を志したものと考えられます。創立当時、全国では二十数校の女子商業学校がありましたが(うち公立は一校)、県内には純然たる女子の商業学校は存在しなかったのであります。女子教育に対しての意識が低い時代にもかかわらず、女子の実業教育を実現した意義は大変深いものがあります。江戸時代の私塾に共通する本校の建学精神を再認識し、さらに高めていくことを決意する次第です。
今年も鈴木米藏先生が目指した理想の実現に、そしてご息女の未来に私たちの夢を託して、教職員一同、思いも新たに邁進する所存です。保護者の方々の御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。