1月

謹んで新年のお喜びを申し上げます。

年の初めにふさわしい穏やかな正月でありました。静かな元旦の気分を味わいながらも、新しい年への思いを新たにした次第です。

はじめに、私の授業で取り上げている第十一回親と子の自慢作文コンクールにおきましては、保護者の方々にも多数の応募をいただきました。誠にありがとうございました。今回は父母の会会長の嶋津正子さんが茨城県知事賞を受賞され、本校の保護者が二年連続の知事賞をいただきました。誠におめでとうございました。ちなみに生徒の作文も茨城県議会議長賞など、七名が入賞しました。

一年の初めにあたり、ご息女を三年間にわたってお預かりする目的について述べたいと思います。言うまでもなく、我々私学は建学精神に基づいて創立した学校です。本校は今年で創立から八十八年となります。当時は女性には選挙権が与えられず、多くの差別を受けていた時代です。その当時に創立した女学校は裁縫の学校が圧倒的に多かったわけですが、本校の創立者鈴木米蔵は、これからの社会を見据え、女性の社会進出に思いを馳せ、茨城で初めて女子に商業を学ばせる本校を創立したのでありました。「社会に貢献する女性を育成する」との建学精神を通して、一人残らず幸せになる力を養成するのが本校の目的であります。

二十世紀を目前に迎えた頃、人々の次の世紀に多くの夢を描いていました。それから約百年が経った二十世紀末の調査によると、六十一%の国民が夢はないと回答し、今が楽しければいいと回答した割合が六十七%に達しました。この傾向はさらに加速していると思われます。これからの社会に求められる人材は、「実社会を意識している人」「自ら考え判断し、伝える人」「失敗を多く経験し、その中から学んでいる人」そして「夢を語れる人」であると思います。それらを意識し、教育活動を展開していく中で、建学精神の実践を通して幸せになれるのだと確信しています。

ご息女の未来に私たちの夢を託して、教職員一同、思いも新たに邁進する所存です。保護者の方々の御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。