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水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

平成30年度

5月

財務省事務次官のセクハラ行為による辞任や、新潟県知事の女性問題による辞任など、不祥事が後を絶ちません。問題の背景やその原因を多くのマスコミが報じていますが、私は小さなモラルの欠如がやがて大きな問題に発展するのだと考えています。教育改革では学力の問題ばかりがクローズアップされる傾向がありますが、人としてのあり方を問う時、数値化される学力ばかりを優先する体質を改める必要があります。特に国のリーダーには高い見識が必要であり、教育において徳育の涵養が求められていることは言うまでもありません。そしてそれは一人一人の国民にも共通する課題だと考えます。

副校長時から続けていることのひとつに、生徒との朝の挨拶があります。朝七時より約一時間半の間は、天候に左右されることなく、生徒との挨拶や会話を続けてきました。最初は緊張していた一年生も、笑顔で挨拶を交わすようになりました。

通勤時間ですので、校門前の道路は多くの車が行き交っています。注意してみていると憂慮すべきことに気づくのです。携帯電話で会話をしながら運転している人の多さ、スマートフォンの画面を見ながらの運転、電気髭剃り機を使用しながらの運転、化粧をしながらの運転、歯磨きをしながらの運転と、危険な光景が続きます。横断歩道を渡ろうと待っている生徒たちを見て、停車する車はとても少ないのが実態です。

数年前の学校通信でも触れましたが、映画館では高校生などの若い世代よりも、中高年世代のマナーの悪さが目立ちます。今年に入り八本の映画を鑑賞しましたが、上映中の私語や上映前後の不愉快な振る舞いは大人から感じることが多かったように思います。

建学精神の具現化のために必要な力を、生徒たちに四つ示しています。「自己コントロール力」「コミュニケーション力」「行動力」「気配り力」の四つの力は、大人にも必要な力であるように思われてなりません。

「教育は後ろ姿」とは大学時の恩師の言葉です。子どもたちがあこがれを抱き、尊敬する「後ろ姿」を見せることが私たちの使命です。