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水戸女子高等学校
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校舎と生徒

学校長より

飾りウェーブ

平成27年度

9月

七月の学校通信でお知らせした通り、今年度は三つの運動部が、全国高等学校総合体育大会に出場いたしました。全国大会で生徒たちの姿を見ることは、私の夢であり、そして使命でもあると考えています。空手道部は奈良県宇陀市、新体操部は大阪市、フェンシング部は奈良県桜井市において、それぞれ本校生らしい姿を見せてくれました。また、多くの保護者の方々が応援される姿を見て感謝と同時に、身の引き締まる思いがした次第です。

私が宿泊したホテルの近くに「適塾」があることを知り、応援の合間に見学へ行くことにしました。大分県でのインターハイ時には咸宜園を訪問し、私学の原点を見つめ直した記憶が甦りました。

適塾は、幕末における洋学研究の第一人者である緒方洪庵が開いた蘭学塾で、天保九年(一八三八)に大坂瓦町に開いた後、その七年後現在地に移転し、その建物は現存しています。

緒方洪庵はすぐれた蘭学者・医学者であったばかりではなく、素晴らしい教育者でもありました。適塾の入門者は全国各地から集まり、その数は千人にも達していたと考えられています。医学生・蘭学生として出発しながら、やがて明治維新をもたらす政治の動きに身を捧げていった橋本左内や大村益次郎、また慶應義塾を創立し、明治の日本人の意識の近代化に多大な貢献をした福沢諭吉など多くの人材を輩出した塾でありました。

二階建ての建物の一階には教室や書斎が配置され、貴重な資料等が展示されており、当時の様子を窺い知ることができます。まるで梯子のような急な階段を上がると、二階には二十八畳の塾生大部屋があり、以前童門冬二さんの講演で聞いた橋本左内と福沢諭吉のエピソードを懐かしく思い出しました。至る所で私塾の息吹を感じることができます。キーワードは「実学」です。私学が忘れてはならない大切な言葉です。

私学としての原点を見据え、今学期も建学精神に基づき、教職員一同、心を込めて取り組んでまいります。御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。