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水戸女子高等学校
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学校長より

飾りウェーブ

平成23年度

9月

三月以来、東日本大震災に関する本を十数冊読みました。悲観的にならざる得ない内容もありますが、日本人に対する評価の高さは共通する事柄でありました。特に海外メディアが報じた日本人の姿は、これからの教育を考える上で大きな示唆となるはずであります。

「津波で破壊された大槌町の避難所では、靴は入口できちんと脱ぎ、ゴミもリサイクル用に分別されている。略奪や犯罪のレべルが上昇している証拠はひとつもなく、日本人は長蛇の列で待ちながら冷静さを示している(ワシントンポスト 三月十六日)」

中国の新華社は、地震発生直後に中国人留学生二十人を避難誘導後、自身は津波に飲み込まれてしまった女川町の水産会社専務を紹介し、大きな反響となり、日本人の温かさやマナーの良さが賞賛されました。

タリアでは被害を受けた八七〇キロの高速道路がわずか六日で修復したニュースと同時に、NEXCO東日本の「すみません。ご迷惑をおかけします」という腰の低い姿勢が報じられ、イタリア人はお互いを尊重し合う日本人の気質に驚嘆したのであります。

七月三十一日に私はフェンシング部のインターハイ激励のため、青森市に行きました。恒例の青森ねぶた祭の数日前でありましたが、東日本大震災で亡くなった方への鎮魂の、特別興行を観ることができました。ねぶたの雄大なスケールに圧倒されるとともに、私は日本人の力を感じました。大太鼓の力強い響きと、哀調を帯びた笛の音色は独特の世界を演出していくのでした。次々に繰り出されるねぶたの山車を見ながら私が感じたのは、真の復興は日本人の思いと力で成し遂げられるものだということでした。世界中から高い評価を得ている日本人の行動は、数百年にわたって培われてきたものであります。教育に携わる者の使命感を青森の地で感じ、身の引き締まる思いがしました。

今学期も、社会に貢献する女性を育成するという建学精神に基づき、教職員一同、「正義に基づき」「真摯に」「強みを意識して」当たり前のことを、真面目に、心を込めて取り組んでまいります。御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。