1月

謹んで新年のお喜びを申し上げます。
年の初めにふさわしい穏やかな正月でありました。静かな元旦の気分を味わいながらも、新しい年への思いを新たにした次第です。
経済不況が続く中、書店には多くのビジネス書が並んでいます。それらの本の中には「ニーズ」「改革」「サバイバル」等の言葉が飛び交っています。厳しい社会を生き残るためには、組織や意識の改革は必要ですし、マーケットのニーズをしっかり把握することも大事だと感じます。しかし、なんとなく息苦しさを感じることも事実です。そして、それは社会全体を覆っている傾向であると思います。
そのような中、パナソニックの創業者である松下幸之助さんが経営にとって最も重要な責務は何かという質問に対して、「みんなに愛されることだ」と答えているのがとても新鮮です。「競争会社のよさを見つけ、共鳴しているだろうか。競争会社に自社の弱みを教えてもらえるほど、愛される会社、いい会社だと思われているだろうか。(人生と仕事について知っておいてほしいこと PHP総合研究所)」
中学卒業者の減少が限りなく続く状況の中で、進路実績をあげ、部活動でもめざましい成果を収めることは生徒を募集する上で大切なことであると思います。しかし、同時に「愛される学校」でなければならないことを強く感じます。
本欄で何度も書いている通り、本校は「社会に貢献する女性を育成する」ことを建学精神としています。建学精神そのものは、実に当たり前のことかも知れません。その当たり前のことを、真面目に、心を込めて取り組むところから、社会に愛される学校の基盤が築かれていくのだと考えます。社会に貢献する学校の姿勢を示し続けることが共感を呼び、感動を生み、社会から愛される学校へとつながっていくのだと信じています。
今年もご息女の未来に私たちの夢を託して、教職員一同、思いも新たに邁進する所存です。保護者の方々の御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。