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平成20年度 3月

今年も3月となり、蛍雪の功成った3年生を送り出す時となりました。新卒業生の保護者の方々には、心からの祝意とともに、三年間にわたる本校教育への御協力を厚く感謝申し上げます。
ご覧になっている方も多いと思いますが、今年の大河ドラマは直江兼続が主人公の「天地人」です。戦国武将を描いた大河ドラマの中では異色の人物かも知れません。豊臣秀吉や武田信玄などの人物が取り上げられることが多いなかで、上杉景勝の部下で比較的地味な存在である直江兼続の生涯をドラマ化したことには意味があるはずです。当時の武将たちは戦場で自らを誇示するため、奇抜な兜を好んでかぶったようでした。伊達政宗の兜のような勇ましいものを連想することができます。しかし直江兼続の兜は「愛」という文字を基本にしています。
「天地人」の著者である火坂雅志さんが最近出版した「名将の品格(NHK新書)」によると、古来、日本の仏教では「愛」はあまりいい意味では使われていなかったようです。むしろ煩悩の最たるものと考えられていました。兼続の愛はこれまで主に「軍神説」が採られていました。「愛染明王」もしくは「愛宕大権現」から頭文字を取ったものという推測です。2月中旬の新聞にも同じような記事が出ていたことを記憶しています。しかし火坂さんは兼続がモットーとした愛は、儒教の思想に基づく「仁愛」のことであると主張されています。「仁・義・礼・智・信」の五徳のうち、仁は仁愛のことであり、仁と愛は同じ意味であるそうです。民の慈しみ、愛しむ、情けの心です。これは西郷隆盛が唱えた「敬天愛人」の思想と共通するものがあります。南洲翁遺訓は西郷隆盛が政治の基本として、忠孝と並んで仁愛をあげていることを伝えています。
直江兼続や西郷隆盛の思いをしっかり伝えていくことが、私たちの大きな使命であることを痛感します。
新卒業生の巣立ち行く時を迎えて、感慨も無量でありますが、ひたすらその人生に幸多かれと心より祈ってやまないのであります。