2015年09月26日

水戸女子スタイル

土曜日の夕方、会合に出席するため自宅近くの
バス停に向かって歩いていました。

「校長先生」の声に気づき、周囲を見渡すと、
反対車線の信号待ちの車に
笑顔の1年生が。
部活の帰りなのでしょう、保護者の方の顔も見えます。
「こんにちは」と自然に挨拶。

東京出張で水戸駅に着いた時も、
ゼミ帰りの生徒から声をかけられ、
思わず疲れも吹き飛びます。

夏休みには東京でのセミナーに参加するため、
水戸駅改札に向かっていると、
私服姿の2年生が二人。
いつものように立ち止まって笑顔で挨拶。

どこでも、自然に、笑顔で。
大事にしたい「水戸女子スタイル」です。

校長 鈴木康之

2015年09月19日

イチョウの木

校門付近に大きなイチョウの木があります。

東日本大震災翌年の1月。
寒さに耐えているイチョウの木をながめ、
やがて芽吹き、緑の葉が生い茂り、
鮮やかな黄色に変わり、葉が落ちた頃、
「新校舎完成」となることを信じて、
仮設校舎に向かう生徒たちと
朝の挨拶を交わしていたことを思い出します。

今年もイチョウの銀杏が落ちてくる時期となりました。
臭いも気になる頃です。

毎朝7時過ぎにバレーボール部の子たちが、
清掃に来てくれます。
生徒たちの自主活動です。
休日の朝も部員の元気な声が、
校長室まで聞こえてきます。

この声、あの子たちの姿が、水戸女子の財産です。

校長 鈴木康之

2015年09月12日

記録的大雨

常総市をはじめ、県内外の各地で被災された皆様には、
心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧・復興を願うばかりです。

当日の朝、私はいつものように
7時から外にいました。
時々雨が強く降るくらいで、
それほどひどいものではありません。

8時過ぎに新体操部の生徒たちが、
おみやげを持って国体出場の報告に来ました。
報告が始まったまさにその時、土砂降りの雨と風。
急いで屋根のある玄関前へ移動しましたが、
傘をさしていても、
あっという間にスーツはびしょ濡れです。

2時間目以降の授業を取りやめ、
生徒たちが下校する頃には、落ち着いた状態に。

4年6ヶ月前の出来事が脳裏をよぎります。
絶望的に状態にもかかわらず、
教職員一同、力の限り、歯を食いしばり、
頑張ってくれました。
改めて感謝するばかりです。

一日も早い復旧・復興を願っています。

校長 鈴木康之

2015年09月05日

東関東吹奏楽コンクール

第21回東関東吹奏楽コンクールは、県民文化センターが会場でした。
多くの保護者の方々にご来場いただき、心から感謝するばかりです。

地元開催ということもあり、多くの卒業生と再会できました。
おしゃべりをしているうちに、彼女たちとの思い出がよみがえってきます。

平成22年卒藤田さん・森戸さん
藤田さんは強豪中学校の部長さんでした。
まだ無名だった本校吹奏楽部に入っていれたことを今でも感謝しています。
彼女のフルートは天下一品。何度も涙を流しました。
藤田さんとの朝の会話も楽しみのひとつでした。

体験学習の朝、コンクールのバッチをつけた中学生を見つけて
声をかけました。それが森戸さんでした。
途中から入部したにもかかわらず、部にはかかせない存在でした。
力強いトロンボーンの音色は、本校らしい演奏を支えました。

この子たちが入学した年から、本校はB部門において
東関東コンクールに出場できるようになったのです。
快進撃の始まりでした。

平成23年度卒平井さん
東日本大震災で全体合奏が不可能になった吹奏楽部。
私はコンクールをあきらめていました。

あきらめなかったのが、平井さんをはじめとする3年生たちだったのです。

結城市で開催された県コンクールの会場に到着すると、
顧問の先生から平井さんが熱中症で休んでいることを知らされました。
トランペットのソロを担当する平井さんがいなければ、
もはや演奏になりません。覚悟を決めてステージを見つめると、
平井さんが登場したのです。そして見事な演奏。
演奏後の「3年の意地です」という彼女の言葉は忘れることができません。

仮設校舎の生活という厳しい環境の中で、
東関東を勝ち抜き、そして東日本でも金賞。
3年連続東日本金賞はここから始まったのです。

平成24年度卒綿引さん・川嶋さん
東日本大震災から4日後、綿引さんのお母さんから連絡がありました。
綿引さんのフルートが楽器庫に置いたままなので、取りに行きたいとのこと。
楽器庫は翌日解体される連絡棟の3階にありました。
もちろん立ち入り禁止でしたが、私はフルートを探しに3階へ。
思えば私にとっての復興・復旧の第一歩でした。

川嶋さんはいつも笑顔でした。
演奏会があると、川嶋さんの家族の姿がいつもそこにはありました。
震災後「絆」という言葉が注目されましたが、
私は川嶋さんから「家族の絆」を感じていました。

この子たちは2年を仮設校舎でスタートさせ、
3年3学期に新校舎へ移動した忘れることができない学年です。

今ではA部門においても注目されるわが吹奏楽部ですが、
数々の先輩たちの思いを胸に刻み、
「水戸女子らしさ」を受け継いで欲しいと願ったコンクールとなりました。

校長 鈴木康之